【本記事は2017/2/2にココログに投稿したものを再編集したものです】
フレッツ光を使っているのですが、今年に入ってから、特に夜の時間帯の回線が非常に遅く困っていました。そこで、いろいろやってみた結果、ようやく改善できたので記事にしてみました。
一言で結論を言ってしまえば、
v6プラスの適用です。
【変更前の構成】
回線 | NTT東日本 フレッツ 光ネクスト マンションタイプ プラン2B |
プロバイダ | @nifty |
契約プラン | @nifty光 with フレッツ |
ホームゲートウェイ | RV-230SE |
家庭内のLAN | 有線 + 無線(BUFFALO WXR-1900DHPをアクセスポイントで) |
どういう状況だったかというと、
- [有線]夜9時以降、ニコニコ生放送などが止まりまくって視聴に耐えれない
- [有線]夜9時以降、オンラインゲーム(具体的に言うと、ドラゴンクエスト10)がまともに動かない
- [有線/無線]ウェブページは見れるけどむちゃくちゃ遅い。WiFiを切って、LTEで見た方が速い。
という感じ。
10時半ぐらいにPingを打つとこんな感じ。
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ping -n 100 www.nifty.com
222.158.213.147 の ping 統計:
パケット数: 送信 = 100、受信 = 83、損失 = 17 (17% の損失)、
ラウンド トリップの概算時間 (ミリ秒):
最小 = 24ms、最大 = 30ms、平均 = 26ms
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朝5時半だとこんな感じ
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ping -n 100 www.nifty.com
222.158.213.147 の ping 統計:
パケット数: 送信 = 100、受信 = 100、損失 = 0 (0% の損失)、
ラウンド トリップの概算時間 (ミリ秒):
最小 = 15ms、最大 = 18ms、平均 = 15ms
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反応速度が遅いのも問題だけど、パケットの損失がひどすぎる。
再送でごまかせる通信は遅いだけですむけど、ストリーミングとかリアルタイム性が欲しい通信は全く駄目。
こんな状態なんですが、ひかりTVは結構まともに見れる。というのは、ひかりTVはIPv6通信で、フレッツ網はIPv4とIPv6で通信が全く違うんですね。
試しにIPv4とIPv6両方受け付けられるサーバにPingを打つと、
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ping -n 100 -4 www.nta.go.jp
e8346.dscksd.akamaiedge.net [23.2.135.120]に ping を送信しています 32 バイトのデータ:
23.2.135.120 の ping 統計:
パケット数: 送信 = 100、受信 = 89、損失 = 11 (11% の損失)、
ラウンド トリップの概算時間 (ミリ秒):
最小 = 13ms、最大 = 21ms、平均 = 17ms
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ping -n 100 -6 www.nta.go.jp
e8346.dscksd.akamaiedge.net [2600:140b:2000:1b1::209a]に ping を送信しています 32 バイトのデータ:
2600:140b:2000:1b1::209a の ping 統計:
パケット数: 送信 = 100、受信 = 100、損失 = 0 (0% の損失)、
ラウンド トリップの概算時間 (ミリ秒):
最小 = 4ms、最大 = 34ms、平均 = 5ms
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何、この差。
ということで、あんまり回線を大きくいじらずに回線品質を改善しようとすると、IPv4 over IPv6を使えばいいんじゃない?という考えになります。
IPv4 over IPv6とは、IPv4のパケットをIPv6のパケットで包んで、IPv6の通信経路で流す技術です。家庭内はIPv4とIPv6の混在、フレッツ網は全部IPv6で、その先でまたIPv4とIPv6に分離します。最近やばすぎるフレッツのIPv4網を使わないので、回線が安定するんですね。
で、IPv4 over IPv6ですが、@niftyで使えるのは、
v6プラスになります。
v6プラス自身は追加料金無しなので申し込むだけでOK!
とならなかったのが、うちの環境...
で、以下に、いろいろ試行錯誤したことを書いていきます。
まず、「@nifty光 with フレッツ」から「
@nifty光」に転用しました。後から考えれば、これはやらなくても良かったかも。ちょっと個別の事情があり、「@nifty + NTT」体制ではなく、「@nifty」一本にしたかったというのが理由。実はうちの環境だと、転用で+80円/月になってしまいますので。(もっとも、
トリプル割適用を考えているので、結果安くなるんですが)
転用は局内工事だけなので家庭内はなにもせずに終わりました。
でも、転用だけでは回線品質も変わりませんでした。相変わらず遅い。
でv6プラスの申し込みですが、転用の申し込みの時に同時に申し込みになりました(勝手に付いた)。が、数日後、「v6プラス 提供不可通知」なるものが。
ここからが面倒だった。
@niftyに問い合わせたり、いろいろ調べると、
http://csoption.nifty.com/ipv6/にも書いてありますが、
> 下記いずれかの機器をお使いいただくことが条件となります。
> - v6プラス対応のホームゲートウェイ(ひかり電話対応ルーター)
> - v6プラス対応のブロードバンドルーター
ということ。
v6プラス対応のホームゲートウェイ(ひかり電話対応ルーター)は、「PR-500シリーズ、RT-500シリーズ、PR-400シリーズ、RV-440シリーズ、RT-400シリーズ、RT-S300シリーズ、PR-S300シリーズ、RV-S340シリーズ」なので、うちの古いホームゲートウェイは対応していない。
で、NTTに電話してホームゲートウェイ(RV-230SE)を交換できないか聞いてみたけど、拒否されました。NTTの基本方針は、故障なら交換するけど、そうじゃないなら交換しないということらしい。
(後から@niftyサポートからメールがあったけど、@niftyサポートが伝えてきたNTTの電話番号が間違っていたらしい。もし正しい電話番号なら、ホームゲートウェイ交換してもらえるかもしれないけどよく分からない)
しかし、さらに調べると、前から使っていた「BUFFALO WXR-1900DHP」が「v6プラス対応のブロードバンドルーター」だった。
でも、WXR-1900DHPはルータ機能を切っていて、アクセスポイントとして使用していた(RV-230SEがルータ機能を持っているので二重ルータにならないように)ので、回線側から見ればRV-230SEしか見えない状態に。
ということで、WXR-1900DHPの設定を変更。
RV-230SEの設定画面を開いて、PPPoE通信しないようにして、DHCPも無効に。RV-230SEは単なるひかり電話用 & モジュラージャック→LAN変換端末に。
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具体的には以下。
まず接続先設定。
接続方法を常時接続しないようにして、回線を切断します。
DHCPの設定。
DHCPが反応しないようにします。WXR-1900DHPがDHCPサーバになるので。
高度な設定でIPv6ブリッジを有効に。PPPoEも必要ならPPPoEブリッジも有効に。
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RV-230SEのLANポートにつながっていた機器はすべてWXR-1900DHPに刺し直し。
WXR-1900DHPをルータモード(Autoだとアクセスポイントモードで認識されてしまったので強制的にルータモード)に変更。設定も一旦リセットして、「インターネット@スタート」で回線を認識させ、PPPoEでまずつながるように。IPv6側は「インターネット@スタート + パススルー」で。
これで、WXR-1900DHPが全部の通信を中継するようになった。ただし、まだIPv4はPPPoEなので、速度やパケット損失は変わりません。
ここで、v6プラスを申し込み。
と数日後、「IPv6接続オプション ご利用開始通知」なるものが。
「v6プラス」申し込んだのに、「IPv6接続オプション」が開通してしまった。
@niftyのv6プラスのページによると、「v6プラス」申し込んでも、適用できないと「IPv6接続オプション」で開通してしまうらしい。
当然ながら、回線品質変わらず。
万事休すかと思って、さらに調べてみると、
v6プラス関連の覚え書きや
BIGLOBEのv6プラス説明ページに以下の記述が。
> 上記条件に当てはまらない方で、以下の機器をお持ちの方は、「フレッツ光IPv6接続」(無料)をお申し込みください。
> - BUFFALO製 WXR-1750DHP/WXR-1900DHP/WXR-1900DHP2/WXR-2533DHP/WXR-2533DHP2[株式会社バッファロー提供]
> ※ 本機器をご利用の場合は、「フレッツ光 IPv6接続」をお申し込みいただくことで、v6プラスが利用できます。下記からお申し込み下さい。
うちは@niftyなのに、BIGLOBEの説明が意味あるのか?と思う人が居るかもしれませんが、実はv6プラスを提供しているのは、
JPNEで@niftyもBIGLOBEも株主で使用者なんですね。つまり、@niftyのv6プラスもBIGLOBEのv6プラスも、結局物は同じ。
【注:この記事を最初に書いたときはBIGLOBEもJPNEを使っていましたが、今は自前で同じことをやっています】
どうも、v6プラスを申し込むと、NTTのホームゲートウェイに
フレッツジョイントでv6プラスの機能が送られて使えるようになるんだけど、うちのホームゲートウェイが古くて非対応だし、WXR-1900DHPもフレッツジョイントを受け付けれないので、エラーになって、「IPv6接続オプション」になっちゃったみたいです。
ここで、BIGLOBEの説明の「フレッツ光IPv6接続」って、@niftyだと「IPv6接続オプション」だねっていうことで、
思い切って、WXR-1900DHPの設定を変えてみました。
設定画面を開いて、「IPアドレス取得方法」を「v6プラス接続を使用する」に設定。
で、しばし待つ。
つながった!
tracert www.nifty.com
してみる。
通信経路が変わった!
kddi.ne.jpドメインのゲートウェイが出てきた!(
JPNEにKDDIが参加しているからでしょうね)
【注:今はkddiの名前でないかも】
で、夜10時ぐらいに、
ping -n 100 -4 www.nta.go.jp
ping -n 100 -6 www.nta.go.jp
を打ってみた。IPv4が速い!(結果保存するの忘れた)
早速、ドラクエ10やりながら、ニコニコ生放送タイムシフトを見る。
全然問題なし!
という訳で、通信が改善されました。
けど、これ、かなりネットワークの知識無いと、結論たどり着けないよね?
少なくともとも、ルータの設定を変えれるぐらいの知識は必要なわけで。
素人がやろうとすると、v6プラス対応のホームゲートウェイを入手と言うことになると思う。
うちは、交換拒否られましたけどね。
「ひかり電話」使っているので、ホームゲートウェイはNTTレンタルになるんだけど、交換できないとなるときつい(もしかすると方法あるかもしれないけど)。「@nifty光」で「ひかり電話」不要なら、ホームゲートウェイの申込先は@niftyになるので、もうちょっとは話が通じるかもしれない。
【補足】
v6プラスで動作しているかどうかは、
IPv4/IPv6接続判定ページが便利です。
判定で、「結果 :OK」がでればv6プラス接続になっています。
試験9:IPv4設定ソフトウェアへのアクセス(v6プラスHGW用)は、NTTのホームゲートウェイ以外を使っている場合はNGになりますが、問題ないです。